プロローグ Part4

アルイエットの補佐、つまり専属の軍師として軍を掌握することを認められた俺は、エルト王国に腰を据え
ヴィスト王国に対して戦いを挑むことになった。










……ハズだったのだが…










ム:先日、期限付きじゃがヴィスト王国との間に休戦条約が成立した










……

………

…………

……………

………………

…………………は?

俺は傍から見るとかなり間抜けな顔になっただろう。
それもそのはず、最初は聞き間違えかと思うような事をサラっとムストから言われたのだから。
ムスト曰く、劣勢で一部の貴族が軍事関係で勝手を始めた事を鎮める時間を得る為に結んだのだとか。

ア:この休戦期間で一部の大貴族に対してのクーデターを起こすから指導をよろしくお願いね。

そう言ってアルイエットとムストは大量の資料を俺の目の前に積み上げて、ソファーに座りなおした。
どうやら俺を牢に入れておいた最大の理由は休戦条約締結の情報を遮断する為だったようだ。
……ヴィストと戦う前に国の内乱からまず俺に何とかしろと、つまりはそういうわけか?
ムストとアルイエットを睨むも二人してあからさまに目線を逸らしてやがる。

は、謀ったなシャア!

と俺が叫びたくなったのも理解してもらえるだろう。
ちなみに八重のヤツは後ろで腹を抱えて大爆笑してやがる。
あとでお仕置き決定だ。