貴族の反乱

さて、アルイエットの言うように戦力は足りない。
だから八重に話をつけさせておいた傭兵ギルドの人員が必要となるのだ。
基本的に『四隊一軍』であり、現在はその一軍しかないのだから。
『アルイエット隊』『ジン隊』『第1傭兵隊』『第2傭兵隊』
コレが現在居る軍である。
せめてもう一軍(四隊)は最低でも必要な為、傭兵ギルドから人員調達することにした。
現在傭兵ギルドにいるのは以下の5隊種である

歩兵隊弓兵隊騎馬隊傭兵隊輸送隊
100万B150万B350万B100万B100万B

まぁ、現状では俺のポケットマネーから資金を出さねばならないので財政的な余裕も無いし
『弓兵隊』×2、『騎馬隊』×1、『輸送隊』×1
と契約した。
また、『第1〜隊』『第2〜隊』という呼称も個性が無さ過ぎるのでそれぞれに名前をつけ、
隊を判別するようにした。また軍も『アルイエット軍団』と正直すぎるネーミングな上に、
それ以外は『第2軍団』『第3軍団』というような名前になっている。さすがにそのままってのは…
という事で、こちらも名前を変更することにした。
なお、今回追加で契約した隊は敢えて『第2軍団』ではなく『第3軍団』に配置した。
名前を変更した上での兵種配置は以下の通りだ。

『アルイエット軍団』→『テンプルナイツ』(王宮騎士団)
アルイエット隊
(歩兵)
ジン隊
(傭兵)
シーザ隊
(第1傭兵隊)
アロセール隊
(第1弓兵隊)
『第3軍団』→『ロスローリアン』(暗黒騎士団)
ロシェ隊
(第1騎馬隊)
ヴァイス隊
(第2傭兵隊)
サラ隊
(第2弓兵隊)
只深隊
(第1輸送隊)

この陣営でまずは貴族たちから国内での実権を奪い返すことにする。

舞台となるのは現エルト王国領内。
まぁ、内乱なんだから国内は当たり前なのだが。

領内の地図を見るとこんな感じだ。
3人の公爵・伯爵が管理する領地が王都を三角形に取り囲んでいると言っても良いだろう。
勝利条件、行動回数などは以下の通りだ。

全エリアを占領するにはほぼ全部の敵を殲滅する必要が出てくる。
そうすると、こちらの部隊の被害も大きくなるだろう。
キューベル部隊を一気に叩きに行くのが最も理想的な形だ。
だが、俺の頭の中には何故か懐具合(財政面)が浮かんでいた

ターン数部隊名行動地域収支備考
ターン1 テンプルナイツ地域活動王都エルストーナ+500万B 
テンプルナイツ移動チッタの村  
テンプルナイツ地域活動チッタの村+150万B 
貴族連合集団その1移動エルスの森・南  
貴族連合集団その2移動ロゼの村  
ターン2 ロスローリアン地域活動王都エルストーナ+300万B 
テンプルナイツ地域活動チッタの村+113万B 
テンプルナイツ移動都市エルゼ vsレゾー伯爵軍団
ターン3 ロスローリアン地域活動王都エルストーナ+100万B 
ロスローリアン移動都市エルゼ vsレゾー伯爵軍団(撃破)
貴族連合集団その1移動エルスの森・北  
貴族連合集団その2移動エルスの森・北  
クルマド伯爵軍団移動エルト平原  
ターン4 ロスローリアン支配活動都市エルゼ  
テンプルナイツ移動王都エルストーナ  
貴族連合集団その1移動エルスの森・北  
貴族連合集団その2移動エルスの森・北  
クルマド伯爵軍団移動エルト平原  
ターン5 ロスローリアン地域活動都市エルゼ+350万B 
テンプルナイツ移動都市エルストン  
貴族連合集団その1移動チッタの村  
貴族連合集団その2移動チッタの村  
クルマド伯爵軍団移動王都エルストーナ  
ターン6 テンプルナイツ支配活動都市エルストン+245万B 
ロスローリアン移動王都エルストーナ vsクルマド伯爵軍団
ターン7 テンプルナイツ支配活動都市エルストン  
テンプルナイツ地域活動都市エルストン+350万B 
テンプルナイツ移動ロゼンの村+350万Bクルマド伯爵軍団(撃破)
貴族連合集団その1移動都市エルゼ  
貴族連合集団その2移動都市エルゼ  
ターン8 テンプルナイツ地域活動ロゼンの村+150万B 
テンプルナイツ移動都市エルストン  
テンプルナイツ地域活動都市エルストン+245万B 
ターン9 テンプルナイツ地域活動都市エルストン+140万B 
テンプルナイツ移動王都エルストーナ  
ターン10 テンプルナイツ地域活動マイクの漁村+150万B 
ロスローリアン移動ロゼの村  
貴族連合集団その1移動ロゼン平原  
貴族連合集団その2移動エルゼ平原  
ターン11 テンプルナイツ地域活動マイクの漁村+113万B 
テンプルナイツ移動ココの村  
テンプルナイツ支配活動ココの村  
貴族連合集団その1移動ロゼンの村  
貴族連合集団その2移動王都エルストーナ  
ターン12 ロスローリアン地域活動ロゼの村+150万B 
ロスローリアン移動都市ベルスト  
テンプルナイツ移動都市ベルスト vsキューベル公爵軍団(撃破)

さて、今回の反乱の全容は簡単なことだ。
国が兵士への資金を与えていた。それは領地の管理をしている貴族を通じてである。
聡明な者ならこれでもう理解できたはずだ。
そう、その資金を兵に与えずそのまま懐に入れていたのだ。
兵たちの誰もが家や家族を守る為に戦うことは嫌とは言わないだろう。
だが、いざ自分が死んだときに遺族に対して何の援助もない、資金を貰っていない兵たちはそう思うのは当然だ。
だからアルイエットの演説を聞いた兵たちは開放され、自分たちの地元へと帰ったのだ。
そのものたちのお陰で各地で反乱が起きた。こういう事である

この戦闘を終え、俺とアルイエットを除く…つまり傭兵ギルドから得た人材全員がランクアップした。
アロセールとサラの弓兵隊は2つ目の『弓矢』のスキルを、只深隊は2つ目の『回復』スキルを得た。
特に弓は3回しか射てず、戦闘ターン5ターンが終わるまでに射ち止めになってしまう。
それを2つ目のスキルで射ち止めを回避できるようになったのだから大きな攻撃力アップだ。

キューベル公爵を捕らえた俺は処刑を希望するキューベルと、処刑しようとするアルイエットを止め、
キューベルを仲間へと勧誘することにした。
コレには両者とも驚いていたが、キューベルは領民を守る為にヴィストと密約を交わしたのであって、
他の2伯爵のように
「私腹を肥やし、長いものには巻かれる」
というワケではなかった。無能な王女と無能な将軍の下では領民が危険にさらされるという判断で
『密約』という苦渋の決断をしたのだ。
それを八重からの情報で得ていた俺は貴族を纏める役としても、領民の事を考えられるキューベルは必要な人材だ
という判断に達したからこそ勧誘したのだ。ムストに貴族の纏め役までさせるのは荷が重いからな。
キューベルは「少し考えさせてくれ」と言ったが、結果として承諾してくれた。
アルイエットはと最初「敵でしょ!?」と反対したが、説明をすると結果的に「無能な私が悪いの…?」と
キューベル公爵の行動の根本をようやく理解した。
全く、このレベルから教育をしなければならんとはな…これは苦労するぞ。ムストもやってくれるぜ……
更に部隊を調査していると優れた人材を発見した。
アルイエットの傘下にトールという男の小隊が居たのだ。
先の戦いでも彼らの働きは見事であったし、俺はトール隊をアルイエット隊から独立させ、1つの隊を任せることにした。

キューベル キューベル

 ヴィスト公国と密約を交わし『貴族の反乱』に加担した公爵の一人。
 だが、その真相は領民を救う為に苦渋の決断で国を裏切った良き領主でもある。
 実際、アルバーエル将軍存命時は熱心な愛国者であった。
 貴族の纏め役として味方になって欲しいと請われ、それを受諾し仲間になった。

トール トール

 エルト王国の将軍の一人。田舎から徴兵に志願しエルト王国に仕えた。
 アルイエットの演説後も城下に残った3000人少々の中の1人。
 戦況を見る目は確かなものがあり、副将軍ら部下からの信頼も厚い。