レースゲーム参戦記
(MONACO GRAND PRIX RACING SIMULATION2)


第6戦スペインGP 〜カタロニア〜
早くも私のF1デビューイヤーは中盤に差し掛かった。
今までの調子ではシーズン一杯シートを得られるという保証は全く無く
背水の陣で今後のレースに臨まなければならない。
しかし、この直線が長いテクニカルサーキットのカタロニアは
セットアップが難しく、直線でスピードを稼ごうとすると
コース終盤のテクニカルなコーナー2つで苦しく、タイムが出ない。
それを悟った私はコーナーリングをやや重視したセッティングに賭け、
慣らし走行を数周行った。
そして残り4周、ようやくそのセッティングにも慣れてきて
コースアウトしなくなってきたところでピットへ戻り
ニュータイヤに履き替えタイムアタック。
それまでのベストタイムでは107%に3秒届かない。
ところが、アタック突入後コーナー重視のためストレートスピードが
遅い私は直線でどんどん抜かれ、逆にコーナーリングでは追いついて
……という感じが2周続きタイムを伸ばせない。残りは1周!
このままでは予選落ちしてしまうのがわかっている。
後ろから誰も追いついてこないことを祈りつつ
コーナーというコーナーを攻める。
ABSなどがレギュレーションで認められているおかげで
少々の無理ではスピンしないという利点を生かしとにかく攻めた。
その結果、私は107%ラインに0.3秒というぎりぎりのタイムで
予選通過を果たした。
そして、私にとって3回目の決勝スタートを迎えた。

スタートはかなり良く、混乱にも巻き込まれずに済んだ。
気付けば順位は14位! これはひょっとして?と思ったのも束の間、
セアトコーナーへのブレーキングでパニスと接触……
私はフロントウイングを破損し、左フロントタイヤもバーストしてしまった。
オリビエはリヤにダメージを受けスロー走行している。
私はなんとかふらつき、コントロールが困難なマシンをなだめ、
ピットへ戻りマシンを修復した。そしてピットアウト。
この地点で既に1LAP遅れになってしまったが、仕方ない。
とにかく私は初完走に向け走るのみ。
しかし、9周目、最終コーナー手前で痛恨のスピン……
コースに復帰した瞬間にアレジ、ディニスが突っ込んできた。
2台はリタイヤしたが、幸運か私はタイヤバーストだけで済み、
場所も良くすぐにピットへ向かった。
結果周回数でアレジには届かなかったが、4周遅れの21位で
初完走を果たせた。
3度目の正直とはまさにこの事を言うのだと実感した。
規定周回数未満でリザルト上はリタイヤだがチームのみんなは
私の傷だらけの初完走を手放しで祝福してくれた。
私は思わずみんなの前で涙してしまった。
さすがミナルディチーム、GP一アットホームなチームだ。