手抜き工事に関するコラム……らしきモノ(笑)


2003.03.27
今日も、マンションの手抜き工事による不祥事が発覚した。
強化用の鉄筋が設計図には明記されていたのに、建てられたマンションには
その鉄筋が入っていなかったという事態である。
しかも、これは関西で起こった不祥事。
阪神大震災の教訓を全く生かさず、住民を危険にさらしているようなものである。

では、ナゼこのような手抜き工事が起こったのか?

ぶっちゃけた話、これは工事費用の削減のためである。
大抵の大きな会社は個人建築業の人に頼むより遥かに安く仕事を請け負っている。
個人経営者よりも建築労働人員を多く抱えているにも関わらずである。
だが、個人経営者より人数が多いので1度に進める作業箇所が多く出来、
短期間での完成をさせる事が可能である。
これは作業員の『日当合計』で考えると、個人経営者に頼むのと大差がないのかもしれない。

仮に、個人経営者の日当合計と同等だったとする。
そうした場合、ドコで利益を出すかといえば『材料費』である。
材料の質が少し低いモノを使う、その材料や代替のモノを一部に使わず、総量数を減らす。
こういった所で、個人経営者との差が出てきているのが実情である。

しかも、それによって発生した不具合(パイプからの水漏れなど)に関しては、
その会社が『有償サポート』といった形で行なう事が多い。
会社にとっては、安く仕上げ、修理で稼げと、この不景気のご時世でも
会社を維持出来るのである。

では、同じ事を個人経営者がやったとしたらどうなるだろうか?
個人の信用に関わり、あっという間に口コミなどで広がり失業するのがオチである。
『大きな会社』『個人経営』で、内容が同じでも、初期値の信頼度などが違うため
結果として、個人経営者と大きな会社では『底力』が違うのである。

だから、個人経営者は手抜きを嫌うため、材料費などが高くなり、
見積り額も大きめの数字になるのである。

しかし、『不景気』『安い』という事に依頼者は目を奪われがちで、
どうしても、大きな会社に頼むのである。
そこには「大きな会社だから、信用出来るだろう」という考えももちろん存在する。

だが、もちろん建築会社全てが『手抜き』をしているワケではない。
しかし、そうしている会社も存在するという事を頭に置いて欲しい。
逆に個人経営者でも手抜きをしている人も存在する。
結果として安く済むか高くなってしまうかは、依頼者の判断次第と言っても過言ではないだろう……