学園恋愛ADVの『暗黙の了解』について考えてみる


2004.08.31
アダルトゲームの名門、elfがとんでもない事をやらかした。
それも、大人気作品『下級生』の新作『下級生2』でやったのである。
それは何かというと…
『幼馴染のメインヒロインが非処女』
という設定なのである。

そもそも、このジャンル(学園恋愛アドベンチャー)をいうジャンルを確立させたのは
このelfの名作『同級生』である。
それ以降、多数の学園恋愛モノが発売されてきたが、パッケージデザインや
ディスクのレーベル面に描かれるメインヒロイン達は主人公と付き合うべくの設定となるのが普通で
彼女達に主人公以外の恋人が出来るのは攻略ルートから外れた場合なのである。
しかしながら、今回はゲーム開始直前の時期からヒロインは別の男(3歳上の大学生)と付き合い始め
主人公とくっついて、Hする時には既に『経験済』となっているのである。
前作『下級生』の真由美のように、遊んでいるという設定の娘とかならばともかく、
しつこいようだが『メインヒロインで幼馴染』という設定の娘につける項目では無いのだ。

更にはマニュアルやWebでのキャラクター説明にメインヒロイン(たまき)の彼氏の存在が書かれていれば
少なからずユーザーは覚悟できたかもしれない。
(まぁ、このジャンルの『お約束』からして『未経験』を信じ通したとは思うが…)
しかしながら、全くその項目に触れもせず、『お約束』を無視した設定という
ユーザーの予想もつかない方向に裏切ったのはメーカーとしてあるまじき行為
ではないだろうか?
ユーザーが居るからこそ、メーカーも運営が成り立つのだから……
もちろん、ジャンルのマンネリ化を打破する意図があったのかもという考えはある、
だが、ここはそれでも触れてはならない『設定の聖域』なのである。
そう
『学園恋愛アドベンチャーのメインヒロインは処女であるべき』というのは
もう、この世界の暗黙の了解とも言える項目である。
しかし、それをこのジャンルを確立させたメーカーが無視し、かなりのユーザーが激怒している。

彼氏の存在をたまきから聞かされたときにショックを受けたユーザーも多数居た。
コレは某掲示板でも判明している事実だ。
しかしながらメインヒロインという事から、どのユーザーも「たまきはその彼氏とはすぐに別れ処女のまま
主人公の元へと戻ってきてくれる」と信じ続けた。
そのユーザーの心・最後の願いを見事なまでに踏みにじった設定は前代未聞である。

たまきが他の男に処女を捧げたと知った時に「激怒してたまきをレイプする」という選択肢が出れば
多くの人は迷わず選んだだろう。
それはユーザーが『裏切られた!』と思った証拠であり、それほどまでにこのジャンルのメインヒロインは処女
という『暗黙の了解が確立されている』のである。ましてやそのメインヒロインが幼馴染なら更に当然のこと

かつてD.O.が発売した『キミにSteady』というソフトでは、遊び人系キャラだった亜衣ですら
今までに遊んだ男たちには一線を越えさせず主人公に処女を捧げるという設定だった。
これにはむしろ感動を覚えたユーザーも多いのではないか。私はそうだった。

今回の『下級生2』のたまきの設定と、この『キミにSteady』の亜衣の設定。
どちらを支持するユーザーが多いかはここまでの文章を読んでもらえれば一目瞭然だろう。

鬼畜系や調教系、お姉さん系、ヌキゲーなどのジャンルではなく
『学園恋愛(純愛)』系だからこそ、『ヒロイン=処女』というのは大事な方程式であり
今までに多くのメーカーが守ってきた『暗黙の了解な項目』なのである。
初代『同級生』で、メインヒロインではないものの主人公の幼馴染であるさとみが経験済みだったことでも
愕然としたファンは多かったのに、今回はそれを遥かに上回るファン、購入者を失意のどん底に突き落としたelf。
それは『修正プログラムを作り、たまきを処女に戻せ』との声があちこちで聞えている事からも判る。

何度でも言うが、学園モノの純愛アドベンチャーゲームにおいて、『幼馴染』『メインヒロイン』
という要素を持ちつつも、主人公以外の男によって処女が散らされている
という設定など
前代未聞であり、このジャンルの『聖域』を踏みにじった
冒涜行為なのである!

例え、他のキャラの設定・シナリオがいくら良いものだったとしても作品の顔ともいえるメインヒロインの設定が
史上最悪である以上、作品評価はとても厳しいものになるのは必至である。

是非とも、賢い他のメーカー様には『暗黙の了解』『お約束事』を無視し『聖域』を踏みにじるという真似だけは
していただきたくないと心から思っております。
実際、たまきが『経験済』という情報がネットで流れた途端にやらずに売った人も少なからずいるようです。
新品が売れた以上はメーカーにお金は入りますけど、その後の販売を考えると決して好ましくない事ですからね。