「セルフィ・アルバレット どうして、そんな無茶をした!?」
あたしの上司、クレアが怒鳴っている。
「お前の働きで救助できた人数は確かに増えた。
しかし、お前は自分に『もしも』の事が有ったらどうするつもりなんだ!
いつもお前は無茶をする、どういうつもりだ!」
あたしは反射的に反論した。
「人を助けられなくてなんのためのレスキューだ」
あたしは死なない、死ぬわけにはいかない。
だからって生きられる人を見殺しには出来ない。
そう、あたしは……生きている喜びを知っているのだから…
だから、だから、あたしは1人でも多くの人を助けて、生きられた喜びを味わってもらいたい!
〜〜 誓い 〜〜
あたしは昔、姉妹で殺し合いをした…
感情を持たない殺戮マシンとしてのあたし……
量産型として、あたしは多くの姉妹達とリスティを殺そうとした。
その戦いであたし達は負けた。
生き残れたのは僅か2人、そうあたしとフィリスだ。
その後、あたしとフィリスは専門の施設に保護された。
だけど、姉妹達が居なくなって寂しいとか、そういう気持ちは全くなかった。
だって保護されてもあたしたちは感情を持つ事がなかったのだから……
施設に保護され、それなりの時間が経つと、そんなあたし達にも唯一感情を表せる人物ができた。
頻繁に様子を見に来てくれていた姉のリスティ槙原だ。
最初はぎこちなくだけれど少しずつ感情を出せるように努力した。
テレパスを使えるあたしたち姉妹だけれど頑張って感情を出そうとしているのをリスティは嬉しそうに見ていた。
少しだけ、ほんの少しだけれど、リスティに対して感情を出して伝えられた時はリスティは嬉しくて泣いていた。
まだ、『嬉しくても泣く』という感情がわからなかったあたしとフィリスは
上手く感情を伝えられないあたし達
を見てリスティが『悲しい』んだと勘違いした。
でも、リスティが『嬉しい』時にも涙が出るんだよと教えてくれた。
それほど少しずつのペースだったけれど『感情』というのもを徐々に理解し、使えるように努力した。
だけどリスティ以外の人達(施設の人たちを含めて)には感情をうまく出して伝えることができなかった。
そんなあたし達が他の人達にも感情を表せるようになったのは、あの二人が居たから……
耕ちゃんと愛さん、さざなみ寮での生活であの2人はあたし達に多くの感情を与えてくれた。
そして、2人や寮生のみんなのおかげで生きている『楽しさ』や『喜び』を知った。
笑う事、怒る事、悲しむ事、寮に居る間に色んな感情を言葉とや表情としても出せるようになれた。
時間が経ち、姉のフィリスは医者、あたしは国際救助隊になった。
1人でも多くの命を助け、生きている喜びを味わってもらうために…
だからあたしはまだまだ死ねない。
もっともっと多くの人を助けてあげたい。
あたしにはHGSの能力(ちから)があるから、普通の隊員では無理なところまで
入り込む事が出来る。ニューヨーク地下街の事故でも2人の命を救った。
耕ちゃん、愛さん、この二人が居なかったら今のあたしはない。
2人への恩は、一生忘れない。
また、元気に2人に会うためにもあたしはまだまだ生きて多くの人を助けるんだ。
Fin
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『翠屋東海地区』さんに投稿していたSSなんですけど…
ドラマCDで初めてキャラ付けされたキャラクターのSSを初めて書いたのがコレでした。
一部加筆修正したとはいえ、相変わらず違和感があるかと思いますが、ご容赦の程を…(^^ゞ